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救いのない物語

『白夜行』はどうやら、そういう類のドラマらしい。
どうしてこんなにも見入ってしまうのかは分からないけれども、少なくとも終わった後「やり切れなさ」が強く残るのだけは間違いない。

笹垣(武田鉄也)のセリフ「あいつらに同情するのは間違っている。あいつらがたとえ11歳の子供だったとしても、親を殺す知恵があって自首する知恵がない筈はない。そして、自分達が犯した罪によってどれだけの人が悲しむのか想像出来ない筈がない。あいつらは始めからそんな事は全部分かってやってきたんだ。」
そのちょっと前、桐原(山田孝之)が雪穂(綾瀬はるか)の義母を殺すところのシーンで
「救われない事なんて始めから分かってる。綺麗事の話なんか最初から分かってるんだ。」みたいなセリフを言っていた。

犯罪者は「罪を犯す」事を止められないのかも知れない。悪いと知っていても、そして自分や被害者や社会全体がその後どうなるのかさえも全部頭の中で予測はしていても、それでも止められないのかも知れない。
…過去の自分の苦しみと比較して?
それとも自分の苦しみを逆恨みして?

僕は犯罪者でもなければ今後その予定もないので断言は出来ないが、逆にじゃあなぜ僕がそのような行為に至らないかと考えればそれなら答えは簡単。流血や人の死そのもの、「死」という出来事自体が怖いから。

人にナイフを振りかざして大量の出血を目の前にし瀕死の人間を傍らに…しかもその人の悲惨な状況を自分が作り出すだなんて、到底考えられない。脳裏で想像するだけで何ンか地獄にでも墜ちてしまいそうな気がする…犯罪者にはそういう想像力がやっぱり欠如しているのか?
地獄だとか天国とか、そんな「あり得ない」ものの存在なんか最初からまるで信じてない…そういう事なのかナ?
そういえば桐原(山田孝之)も雪穂(綾瀬はるか)も、いつもこんなセリフを口にしていた。
「騙されるほうがバカだ」
この言葉をまるで座右の銘とでも言わんばかりに数々の犯罪を上塗りしていく…自分を救おうとしない自虐的な二人の物語に嵌まって見ている僕自身も実は、現在や未来に多かれ少なかれ不安を感じているし、取り返しのつかない悔やんでいる過去もたくさんある。
でも絶対的にこの二人と違うのは「騙されるのがバカ」だとは思いたくないという事。


人それぞれ過去があり、でもきっと過去の自分が今の自分を全て形成しているのではないというような事を深く考えさせられた。
そして綺麗事かも知れないけれど自分の信念も再確認出来た、良いドラマだったと思った(3/23最終回)。

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